骨の髄まで

と言った。

その言葉にきょとんとしていると、月野さんは無表情を少し強張らせる。

「蕎麦、嫌いですか」

あ、食べに行くという意味らしい。

「いや、すごく好きです。天ざるとか」
「良かったです」

何故か一緒に蕎麦を食べることになった。

とりあえず資料を直して昼休み近くになると、月野さんから視線を注がれた。

まだですか、と言わんばかりの。

「終わりました!」
「お疲れ様です」

とりあえず荷物を集めて持った。車へ向かう月野さんの背中を追いかけて、オフィスへ「行ってきます」と声をかける。

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