骨の髄まで
私を見ながら、自分の仕事も同時並行して行っているのだから本当にすごい。
すごいと思う感情と共に、育つ劣等感。
きっと敵わないんだという諦めと嘲り。
比べてしんどくなるの、止めたいな。
手が止まっていると、机をトントンと叩かれた。顔を上げる。
「日下部さん、歓迎会明日やるんだけど来られる?」
同じ営業で同期の雲田くんが笑顔で尋ねた。
「うん、行ける」
「よーし、月野さんは来るかなー」
指を顎に当て、空席を見つめる。
「来ること、少ないの?」
「大人数の飲み会参加してるの、見たことない」