骨の髄まで
すみません、とてれてれしていると、斜向かいに座った月野さんからの視線に気付く。
「唐揚げ食べますか?」
「はい、食べます」
頷くと唐揚げを大皿ごとくれた。
「こんなには……」
「まだ温かいですよ」
「あ、本当だ」
私の反応は気にせず、月野さんはぽんぽんと三つほど唐揚げを小皿に分けてくれて、隣の卓に唐揚げを渡す。
当たり前に全部大皿ごとくれたわけでは無かった。
「月野がいるー!」
遅れて参加した先輩方が月野さんの姿を見てはしゃいでいる。それを無表情のまま受け流して、月野さんは唐揚げを頬張っていた。