骨の髄まで
骨の髄まで
本日付で異動になりました、日下部倫です。
口の中で言葉を何度か復唱した。
「席、そこね」
課長から言い渡され、示された席に荷物を置く。隣の席は綺麗に整頓されており、その性格を想像する。
「一応上司に当たるのが……あれ、月野くんは?」
隣の空席を見て、課長が後ろに座っていた若い男性社員に尋ねた。
「二階に行くって言って、あ、来ましたよ」
その視線の先を私も一緒に辿る。
つきのさん、どんな人だろう。
「月野くん、今日から配属になった日下部さん。慣れるまではサポートしてあげてね」