骨の髄まで
ちょっと変わってる人だ。
仕事は出来るけど。
「日下部さんは」
駅が近づき、月野さんがこちらを向いた。
思えば、月野さんは私を真っ直ぐ見る。
「付き合ってる人はいるんですか」
「へ?」
変な声が漏れた。
「付き合ってる……?」
「恋人とか、婚約者とか、夫とか」
「いや、いませんけど」
答えた後、月野さんはハッと何かに気づいた顔をして口を開く。
「これはセクハラですか」
何の話? と、私の頭は月野さんの思考回路についていけない。
「この質問はセクハラに値するのでは、と」