骨の髄まで
私の戸惑いを汲み取って、常人が理解できるところまで思考を戻してくれた。
「それは、私がセクハラに感じなければそうはならないんじゃないですか、ね」
「感じていたらすみません」
ぺこ、と簡単に頭を下げるので慌てる。公衆の面前で謝らないで欲しい。
「大丈夫なので、頭上げてください」
「本当ですか」
頭が上がる。その顔を見上げる。
「ええ、はい。ただ、どうして急に訊かれたんだろうとは思ってます」
「僕が君をすきだからです」
「ん?」
「僕が日下部さんを」
「は!?」
そこまで聞いて漸く理解が出来た。