骨の髄まで
決して、楽しかったとは言えなかった毎日を。
「私は日下部です」
思ったよりずっと冷たい声が出た。
捨てたわけじゃないけれど、抱きしめられないあの頃を、私は今でも持て余している。
努力が報われない毎日のどこに、希望を持って生きていたんだろうと思う。
いや、あの頃はただ生きるだけで必死だった。
そんな、日々の中で。
「私は月野さんのこと、ずっと嫌いでした」
私は漸く産まれた子供だったらしい。
本当は男の子が良かったと、いつか聞いたことがある。誰から聞いたかは覚えてない。