骨の髄まで
「倫は出来る子なんだから、頑張ろうね」
物心ついた時には母親からの期待を一身に背負っていた。
母親は月野家の分家、血縁のない末端の産まれで、それに大きなプライドを持っていた。父親は婿入りした。それ故にか、私への教育熱心さに母へ口出しすることは無かった。
親戚一同集まる場に来ることも、殆ど無かった。
母親からの期待に応えようと私は人の三倍は勉強したし気を遣ったし努力をした。そうしないと、期待には応えられなかった。
学校では一番の成績で、皆に慕われる。教師たちからは信頼され、内申はいつも良かった。