骨の髄まで

努力に見合った結果だとは思う。磨り減った心から目をそらせば。

それでも、親戚一同が集まる場所に行けば、月野本家の、月野馨が持て囃されていた。

頭も容姿も良く、品行方正。
非の打ち所がない。

それを母が仄暗い瞳で見ていたのは気付いていた。

月野馨はいつの間にか私の比較対象になっていた。

今考えてたら、可笑しかったなとは思う。そもそも月野さんは私より三学年年上で、学習の範囲も学校も家の財力も違った。

陽向家は月野の末端を名乗っていたけれど、父は普通のサラリーマンで母は専業主婦だった。

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