骨の髄まで

リビングに積み上げられた本を片付けて、漸く気分が落ち着いた。

冷静になって、月野さんの言葉を思い出してみる。

『僕が日下部さんをすきだからです』

恋愛としての好きじゃない、とは言い難い。なんかその前に付き合ってる人がって言ってたし。

私のどこをどう見てそんな思考になったのだろう。

頭の良いひとが考えることにはついていけない……。
月野さんなら引く手数多だろうに。

折角の休みを悶々として過ごし、すぐに憂鬱な月曜日がやってきた。



「確認しました。大丈夫です」

普通だ。

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