骨の髄まで
確認を頼んだ資料が戻ってきて、私は受け取る。
「あ、りがとうございます」
いつも通りの月野さんに拍子抜けする。
私は休日をこの人の言葉ひとつに考えさせられていたのに、どういうこと。
何でもなかったみたいな、顔を。
めら、と劣等感の火が燃える。劣等感というよりは闘争心かもしれない。
ここで再会したのも何かの運命。
あの時、劣等感でぺしゃんこになった私を、私が救わなければ。
「日下部さん。今日、11時から営業先に行って戻ったら会議に参加してもらいます」
静かに決心した隣で、月野さんが淡々と予定を言い渡す。