骨の髄まで

肩の力って、どうやって抜くんだろう。

エレベーターの扉が開き、人が入ってくる。
パッと目が合った。

どうして、こういう時に。

思わず逸らし、感じが悪かったなと後悔する。

でも月野さんは気まずいなんて感じないみたいだし、大丈夫だろう。

「お疲れさまです」

誤魔化すように声をかけた。

それが意外だったのか、パッとこちらを向く。

「お疲れ様です」

思わずその顔を見てしまった。
ちょっと嬉しそうな顔を。

「会議、どうでしたか」

意図的に避けた今日だったので、朝から二回目の会話。

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