骨の髄まで
「じゃあまた明日、誘います」
エレベーターが開いた。
この前、セクハラがどうとか気にしていた人とは思えない。
どんなに避けたくとも、席が隣なので朝行けば顔を合わせることになる。
憂鬱だ。まさか異動して早々こんな気持ちになるとは。
「おはようございます」
「あ、おはよう」
コーヒーを持った星土さんに挨拶をする。
にこにこと笑う顔を見ると、全部話したくなる。でも星土さん、月野さんの同期だしなあ。
「あれ、月野さんは」