骨の髄まで

いつもは席に居るのに見当たらない。

「午前中は外だって」

近くに座っていた雲田くんがPCでスケジュールを確認してくれた。

「午後は戻ってくる?」
「そうだろうな、普通」
「じゃあ今日は一日会わないかもしれない」

気分が浮上した。というより、胸を撫でおろした。

席に座ると、雲田くんと星土さんがこちらをちらちら見ている。

「どうしました?」
「もしかして月野さんにいじめられてる?」
「え、あ、いや」
「頭良いから、自分のスピードで話しちゃうからね。言っといてあげる」

星土さんが深く頷く。


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