骨の髄まで
昨日の午後の客先のこと。商品の値上げのお知らせに行った。
「価格変動で仕方ないっていうのと、嫌味も言われました」
「嫌味」
「世知辛いですよねって笑って帰りました」
「僕が行けば良かったです」
「ちゃんと謝った方が良かったですかね」
「いえ、日下部さんが嫌な思いをしたんだったら、僕が行けば良かったと思いました」
その言葉に、席に座りながら眉を寄せた。
「え?」
「手が回らない分はこっちに振って大丈夫なので」
「対応の仕方が悪かったなら私が行って謝ります」
月野さんを見て続ける。