骨の髄まで

仕事をしている間にも、疲れるとぽやぽやとこの前の月野さんの表情が浮かぶ。

は!?

「うわ、どうした」
「雲田くん。私を思いっきりビンタして」
「な、絶対嫌だ」
「集中できないの!」
「日下部が怖い。星土さーん!」

決して暇ではないだろうけれど、PCを見ながら欠伸を噛み殺していた雲田くんを捕まえた。

誰かに頬を張ってこの煩悩を吹き飛ばしてもらいたい。

星土さんに助けを求めに行った雲田くんを取り逃がし、私は次なる獲物へと視線を向ける。

「眠いんですか」
「わあ!」

後ろから話しかけられ、字の通り飛び上がった。

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