骨の髄まで

それを止める。

「自分で買ってきます!」

席を立ち上がり、自販機へと向かった。

すぐそこまで戻ってきていた星土さんと、その後ろに雲田くんがいる。

「喧嘩してるの?」
「違います。缶コーヒーを買ってくるだけです」
「高らかに宣言して……?」
「報告は大事なので」

その場から逃げるようにして、星土さんに背を向けた。

自販機で冷たい缶コーヒーを買って、すぐに飲み干した。缶をゴミ箱へ捨ててオフィスに戻る。

席へ戻ってPCに向き直る。
もう大丈夫。

私は、大丈夫だ。

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