骨の髄まで

今もまあ、明るいわけではないけれど。

「今日、間に合わない仕事を手伝ってもらいました」
「彼、仕事早いからねえ」
「涼しい顔してるから、喜怒哀楽どこ行ってるんですかって聞きました」
「日下部さんも結構肝据わってるよね」
「月野さんじゃなくて?」
「月野くんにそんなこと訊く後輩今まで居なかったよ」

にこにこと言われ、私の笑顔は引き攣った。

「図々しいですかね……」
「まあそれは本人に訊いてみたら」

課長がお湯を注いでくれる。片手の指先が給湯室の外へ向いているので、なんとなくその先を辿ってみた。

「わ」

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