骨の髄まで
静かに月野さんが立っていたので、驚いて仰け反った。課長にぶつからなくて良かった。
「い、いいつからそこに」
「ついさっきからです」
「なんで声をかけないんですか。びっくりした」
「僕の話をしていたので、かけづらかったんです」
「月野さんにも、気まずいって気持ちがあるんですね……」
「僕のこと何だと思ってるんですか?」
呆れた顔で見られる。
私の後ろで課長が噴き出した。
「本当に仲良いねえ。月野くん、この前の会議の日程決まったから後で共有しとくね」
月野さんにはそう言い、私へコーヒーを差し出してくれる。