骨の髄まで
何か考え事かと顔を見ようとすると、背けられた。
「え、どうしました?」
何か失言をしたかと顔を覗こうとする。
「いや、なんでもないです」
「大丈夫ですか?」
「にやけそうだったので」
「月野さんもにやけるんですか?」
「一応、人間なので」
それはそうか。妙に納得してしまった。
「結構、君も鈍いところがあると思いますけどね」
その言葉は聞き捨てならない。
「月野さんに言われたくないです」
「そうですか、すみません」
「さらっと謝るし」
「偶に考えます」
ほうじ茶のティーバッグを取り出し、月野さんはそれを一口飲む。