骨の髄まで

あの頃より成績が上がったかもしれない。

「今会えて良かったです」

頷きながら月野さんがほうじ茶を持って給湯室を出る。私もそれに続こうとコーヒーを持ち上げた。

「え」
「ん?」

給湯室入り口に居た星土さんが私と月野さんを見比べる。

い、いつからそこに。
同じことを先程も思っていたと、思い返す。

「やっぱり月野くん、日下部さんのこと」
「ちょ、ちょちょっと待っ」

ふふ、と嬉しそうな悪戯な顔をして手をパタパタと動かした。

「大丈夫、あたしと雲田くんだけで話してるから」

それもどうなの、とぼんやり考えてしまった。

< 69 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop