骨の髄まで

その答えに月野さんの顔が緩む。

そういえば最近、無表情でいることが少ない気がする。

「星土さん、俺たち邪魔そうなので退散しましょう」
「ええー、これから面白くなりそうじゃない」
「今日はこの辺でお開きにしましょうか」
「はい。明日も仕事ですし」

わたしたちは立ち上がり、月野さんが結局お会計を持ってくれた。

駅でそれぞれ分かれて、偶然にも月野さんと同じ方向のホームの椅子で待った。

「嫌だったらちゃんと断ってください」

月野さんが脈絡なく言ってくるので、眠くなり始めた瞼を上げる。

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