骨の髄まで

月野を見て目を泳がせたのは男性社員の方だった。一瞬で、営業の月野だと分かったのだろう。女性社員は目を丸くした後、小さく頷いた。

「そうです……けど」

他に社員は居なかった。会議などで出払っているのだろう。

「営業の月野です。日下部の上司です」
「え、日下部さん元気にやってます?」

すぐに警戒心は解かれ、女性社員は笑顔を作った。

「元気です。明るくて社交性があります」
「良かった。頑張りすぎるときがあるので、気を付けて見てあげてください」

聞けば、二人は倫の同期だという。

そして、先程の話題へ。

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