骨の髄まで
無駄なものがない。ペンケースもどこのブランドか分からないけれど革製品で、お高そう。コンセント周りも綺麗にされていた。
「誤字脱字が、こことここ。内容が全体的に薄いです。グラフの使い方は良いと思います」
「はい……ありがとうございます」
半月経って、判ったことは月野さんは誰に対しても妥協しないこと。
三つ言われて二つのダメ出しを受け取り、資料が戻ってくる。
言われたことは間違ってない。だからこそ痛いし、ダメージがある。
過去のことは過去のこと、と割り切っていたいけれど、大人になりきれない自分がいる。