失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
 朝食を摂り終えると、ファーストフード店の外に出ると行き交う人々の群れの中に合流する。可愛らしいバレンタインの装飾に目を奪われてしまう。時間に余裕はないのだけれど、眺めながら歩いて行く。

「あ、三島さん」

 並んで歩いて居ると三島さんからの電話が入り、コートのポケットに忍ばせて置いたスマホが震えた。

 大和さんが話をするのを止めて、人差し指を唇の前で立てて『黙ってるから電話に出て』とジェスチャーする。

 仕事に差し支えがあるからと二人の暗黙の了解で、職場では秘密の恋愛中。

「おはようございます。はい、了解です。では、また会社で。失礼いたします!」

 三島さんからの電話はいつも何を言われるのか、と思い緊張してしまう。

「三島は何て?」

 電話を切ったのを確認してから、大和さんが話をかけて来た。

「夕方まで外回りで居ないから、デスクに置いてある資料をまとめておいてとの電話でした」

「そうか。……美月は営業部で頑張ってくれているけど、仕事を辞めたくなったり、元の部署に戻りたくなったりするか?」

 何故だろう? 何だか胸騒ぎがする。今の質問は何故、今したのだろう?
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