失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
「もちろん今の部署になってからは辛くて辞めたくなった日もありますが、私なりに頑張ろうって決めています。でも、心の中では元の部署に戻りたいとか、使えないって思われてるなら部署移動したいっては思ったりしますよ。大和さんにもご迷惑おかけしてるし。こんなことは部長の大和さんに言うことじゃないんですけど、彼氏さんとして隠し事はしたくないですから」

 正直に心の内を打ち明けた。部署移動になってから、積もりに積もった感情。

「悪かったな。営業部の人手不足により、総務部から引き抜いたのは俺なんだ。名指しで指名したわけじゃなく、人手不足だから誰か回してくれないか? と頼んだら美月が来てくれたんだ」

「薄々は噂で知ってましたよ。最初は大和さんと一緒だからって嬉しくてたまらなかったですが、仕事に慣れなくて今だに苦戦してます」

 私鉄の駅へと移動中に話したことは、今日の夕方にとんでもない方向へと転換することになるなんて、私はまだ知らなかった。

 夕方、三島さんが外回りから帰ってきた時のことだ。

「樋川、どこまで進んだ?」

「お疲れ様です。えっと、もうすぐ終わるかなってとこです」

「とりあえず、終わった所まで印刷して見せて」

「はい、今すぐ印刷します」
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