失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
 悩んでいたら助け舟を出してくれた梅田さん。バリキャリに見えて私とは世界が違う人だと思っていて、用事以外は今まで余り話したことはなかったけれど、笑うと可愛いなんて、ちょっぴり思ったりして。

 見かけはスラリとした手足に高いヒールを履いていて、モデル体型の梅田さんは大人の女性そのものである。

「あ! そうだ。これ、樋川ちゃんにあげる。甘い物摂ると頭の回転良くなるよ」

 一旦去ってからまた私の元に戻り、デスク横に置かれたのは、ストレス軽減も兼ねたチョコレート。

「営業ってすぐにストレス溜まるから、何個もデスクに貯めてるんだ。ふつーのチョコやおやつもあるから、欲しかったらいつでも言ってね」

 うふふっと笑って立ち去る姿も完璧なまでに美しく、世の中の男性が放って置かないだろうなぁと改めて思った。

 私も梅田さんみたいに綺麗だったら、もっと自分に自信が持てるのかな? 今のままでは大和さんと釣り合いが取れてない気がする。

 大和さんは次期社長候補でもあるし、本当にお嫁さんになれるのかどうか、自信がない。

 バコンッ。

「っい、たっ」

 突然、頭に軽く衝撃が走った。

「さっきのお詫びにこれやるよ」

 三島さんから三個入りのマカロンの箱で頭を叩かれたのだった。

「この文章削除して、ココに入力して。それから、資料のまとめを赤ペンで直したからやり直しお願いできる?」

 PCを目の前にデスクに座っている私に覆い被さる様に、三島さんがマウスを操作している。

 物凄く、ち、近いんですけど!
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