失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
「今日は気が済むまで抱くから」

「大和さん、酔ってます?」

「……少し」

 大和さんは毎回の様に首筋にキスを落としてから、上半身にキスを落とす。快楽に身を委ねて、大和さんの汗ばむ背中を抱きしめる。

 シャンパンをセーブしながら飲んでいたので、酔いつぶれてはいない私だったが、無性に喉が乾いて水を欲した。

「や、まとさん! お水飲みたい」

 そう言うとベッドのサイドテーブルに置いておいたペットボトルの水を口に含んで、口移しをされた。

 喉の乾きがまだ潤わず、再度、水を要求したらペットボトルから飲ませてもらえたが大和さんに与えられている甘い痺れは止まるはずもなかった。

「美月、愛してる」

 何度も何度も囁かれる。この女は自分のだと主張するかのように、赤い斑点が上半身に散りばめられた。

 甘い時間を過ごした後、今日は大和さんが先に寝てしまった。スヤスヤと寝ている大和さんが愛おしくて、「おやすみ」と頬にチュッとした時、おいでって抱きしめられた。

 大和さんに腕枕をされた体制で朝を迎えて、起きた時には二人で微笑み合う。結婚したら、毎日、大和さんが隣に寝てるんだよね?

「そろそろ起きよう」

 大和さんは先にベッドから降りて、カフェマシーンでコーヒーを注いでいる。

 コーヒーの香ばしい香りが部屋に立ち込める。光輝いていた夜景が、朝の陽射しへと変化して部屋の中に明るさを持ち込んでいる。

 大和さんと一緒に朝を迎えたのは、何度目だろうか?

 これから先は毎日一緒に朝を迎えて、夜を重ねて、子供も産まれたりして家族を築いて行くんだな……と思うと感慨深くなる。
< 29 / 50 >

この作品をシェア

pagetop