失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
 ほうれん草なんかはまとめて茹でて小分けして冷凍庫に入れておけば、市販のクリームパスタなどに手軽に入れられて便利。

 調味料も無くなりそうな時に買い足しするぐらいだから、整理と言うよりも入っている中身が少ないのかも?

「大和さんの料理が朝から食べられるなんて、私は幸せです!」

「んー? これは料理って呼べるのか?」

 大和さんは微笑みながら、コーヒーを飲み干す。

「さて俺も準備しよっと。社内公認になったし、今日から堂々と一緒に出勤できるから張り切っちゃうよね!」

「うーん、私は張り切るよりも冷やかしが恥ずかしいですよ!」

「慣れれば平気でしょ?」

 いやいや、慣れるまでにどれだけの時間を費やせば良いのか?

 大和さんはさほど気にならないのか、ニヤリと笑ってシャツのボタンを止めている。逆に私は気になって仕方がない。

 好奇な目で見られ、あることないことを勘ぐられたりするのも覚悟しなければいけないのだけれども私にはまだ勇気が出ないのだ。

 部長が一声上げれば皆、収集着くのは分かっているけれど甘えてばかりもいられないから自分自身も気を確かに構えるしかない。

「負けずに頑張らなきゃ」

 大和さんに聞こえないように呟く。

 今日は大和さんの車で一緒に出勤。大和さんの車で一緒に出勤するのは初めてで新鮮だった。

 見慣れた景色が近くになって来たけれど、車から見る景色は歩いて通勤している景色とはまた違って見えるものだった。
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