失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
「大和さん、梅田さんが歩っているのが見えました。梅田さんて、すぐに分かるなぁ」

 会社付近で梅田さんを発見し、私は嬉しくなった。

「梅田が電車通勤って珍しいな。営業行くから、いつもは車が多いんだけどな」

「そうなんですね」

 梅田さんが歩道を歩く姿は滅多に見られないらしく、貴重だと思ったら更に嬉しくなった。美人さんなのにバリキャリで人にも気が使えて、本当にパーフェクトな人で羨ましい。

 一瞬で好感度が上がり、一瞬で大好きになった人。まるで大和さんに会った時みたいだった。

 大和さんに初めて会った時は会社の忘年会がきっかけで、クジ引きで決められた席が隣だったことから話をするようになった。あの時に出会わなければ、縁のなかった方であり、あの時に出会ったことが奇跡だったのかもしれない。

 大和さんとは反対側の隣がCM部門のクリエィティブマネージャーで緊張していて、それに気付いた大和さんが気軽に話をかけてくれた。

 クリエィティブマネージャーも一見、気難しく見えたが、大和さんの営業トークにより和やかな場になって、打ち解けられた。

 今ではお互いを見かけると手を振り合う仲になった。
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