失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
幸せになります
 私達はお互いの両親に挨拶を済ませ、無事に入籍まで辿り着いた。トントン拍子に事が進んで、先程、市役所に婚姻届を提出したばかりである。心配だった大和さんのご両親へのご挨拶にドキドキしながら伺ったのだが、たくさん祝福してもらえて胸を撫で下ろした。ご両親はとても穏やかで優しい方。お父様は私たちが勤めている広告代理店の現社長である。

「今日から本宮美月なんですね。実感が湧かないんですが……」

「あー、今日からは堂々と美月が奥さんです! って言えて俺は嬉しいよ」

 どちらの両親もとても喜んでくれて、昼からの会食をホテルで予約していて今日が初顔合わせでもある。私の父は食品会社に勤めているが、果たして話が合うのかどうか。会食は緊張するけれど無事にすめば良いなぁ。

「今日は美月のご両親が泊まりがけで来てくれるんでしょ? 久しぶりの親子水入らずを楽しんでおいで」

「はい、楽しんで来ますね」

 有給を使い、明日は両親と観光を楽しむつもり。今日明日は天気も良く、観光日和。両親が行きたがっていた場所に色々と行くつもり。

「あ、急がないとホテルに着くのがギリギリになりそうだから急いで美容室に向かおう」

 市役所を出て駐車場に向かう途中、大和さんが腕時計で時間を見ながら、私の手を繋ぐ。

 自然と手を繋がれたので、正直嬉しい。会食前にパーティードレスに着替え、美容室で髪をセットしてもらってから車でホテルに向かった。
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