失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
 先日、二人で購入した土鍋に大きめに切った野菜と油揚、冷凍にしておいた鶏肉を解凍して火を通す。締めには冷凍うどんかお餅を入れちゃおう、っと。

 大和さんはもらったお土産を整理しながら、「休みの日に式場の日取りとか相談しなきゃな。ウェディングドレスも合わせに行かなきゃならないし、総務に書類も提出しなきゃいけないし忙しい」と独り言の様に呟いている。

 結婚するのは一大イベントなのが身に染みて分かった。

 友達が結婚するって聞くとワクワクしたけど、いざ自分の事になると計画性が必要だし、家族の協力も必要不可欠なんだと実感する。

「よし、片付け終了!」

 大和さんはお土産の整理整頓を終えて、キッチンで夕飯を待っている。几帳面な大和さんは部屋の中がいつお邪魔しても整理整頓されていて、忙しい時や疲れている時は片付けを怠ってしまう私は見習わなきゃ行けないと反省してしまう。

「美月のウェディングドレス姿、早く見たいなー」

 仕上がった鍋に菜箸を入れながら呟く。お鍋の油揚と豆腐がお気に入りで、とんすいに多めによそっている。

「私も大和さんのタキシード姿、楽しみにしてるんですよ。普段のスーツ姿とはまた違いますもんね」

「カラードレスも着るでしょ? 白無垢より、色が着いてる着物の方が美咲は似合うかなぁ」

 私の言った事は流されてしまった様で、再び私のドレスの話になった。

 色が着いてる着物とは打ち掛けの事を言っているのかな?

「私も白無垢よりも色の着いている着物が好きです。カラードレスはパステル系が着たいかな。それか、思い切ってシックな色合いのとか!」

「美月なら何色でも似合うけど、水色とかピンクのイメージかなぁ? 大人っぽいデザインも捨て難い」

 その後、実際にカラードレスを見た時には目移りしてしまい、パステル系を選ばずに赤と黒のヒラヒラが多めの可愛いドレスを選んだ。
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