失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
後日。従業員食堂でパスタランチを食べていた時、三島さんが「ここ、座っていい?」と言って来た。

 業務のキリの良い所まで仕上げたくて夢中になって仕事をしていて、昼食が遅くなってしまったので一人でのランチタイム。

 お昼時を過ぎていたので、従業員食堂は空いていたが三島さんは目の前に座った。三島さんが良い人なのは分かったけれど、緊張しないわけではない。

「樋川さぁ、部長といつからできてるの?」

「ク、クリスマスの前辺りから……です」

 たぬき蕎麦を食べながら質問してきた三島さんがコチラを上目遣いで見て来た。

「ふうん。全然、そんな素振りないから気付かなかった」

「樋川、顔赤いけどどうした? 熱でもある?」

 目の前に座る三島さんに凝視されて、我に返った。大和さんの話題を出されると恥ずかしくなってしまう。

「な、な、ないです! 大丈夫です」

「仕事のし過ぎで知恵熱出たんじゃない?」

 必死に否定した私に知恵熱が出たんじゃないか? と意地悪そうな顔をして笑いながら言って来た。やっぱり三島さんは悪魔だ……!

「部長ってさ、以前はもっと取っ付きにくくて無口だったけど、今は雰囲気変わったよな。やっぱり樋川のせいかな? 何だか、ふやけてるよね」

 三島さんはニヤリ、と笑って口角を上げる。

「でも、仕事の鬼には変わらなくて、仕事キッチリなのは変わらないよな。寧ろ、余計に鬼になった感じ? 他に流れてしまいそうなクライアントもガッチリ捕まえてくるからね。営業トーク半端ないし」

 大和さんは皆から尊敬される上司なんだと再確認する。
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