失恋したら、別の幸せが待っていました！～憧れの部長と溺愛婚

「樋川はそれだけ凄い人と付き合ってるんだから、もっと自信持てよ。……コレ、やるから食べな」

　三島さんは話すだけ話して、ミルクがかかっているがほろ苦いコーヒーゼリーを私の元に置いて去って行ってしまった。

「おー！　樋川ちゃん、お久ー！　一人なの？」

「わぁ、お疲れ様です。プロデューサー」

　遠くから私を読んでいる声が聞こえたと思ったら、私の事を見つけたプロデューサーが手を振りながら近寄って来た。私は思わず立ち上がって、手を振り返す。その隣には大和さんも居て、心が高鳴る。

「本宮と結婚するんだって？　おめでとう。本宮も隅に置けないねぇ、こんなに可愛い樋川ちゃんをお嫁に貰うとはねぇ」

　隣に佇む大和さんの肩をポンポンと叩き、「樋川ちゃんが居たから仕事セーブしてたのか。残業当たり前のお前が定時、定時って言ってるからおかしいと思ってたんだ。早く帰りたいよね、樋川ちゃん可愛いもんねー。イチャイチャしたいよねー」とセクハラ紛いな発言をしてニヤニヤしている。

「はぁ、プロデューサー、美月はそんな事は知らなかったんだからバラさないで下さいよぉ」

　大和さんもプロデューサーにはタジタジで、苦笑いをしている。

「本宮とコーヒー飲もうかなって思って来たけど、樋川ちゃんと話せて良かったよ。中々会う機会がないからね」

　クリエイティブマネージャーは大和さんの二個上の先輩で、大和さんが契約してきた案件をＣＭなどの形にしてくれる超本人。凄腕のクリエイティブマネージャーであり、話題ＣＭとしても取り上げられたりしている。