失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
「美月は悪い子だね。今日は一緒に眠るだけにしようと思っていたのに、そんなに潤んだ瞳で見つめられたら独り占めしたくなるよ」

 そう言いながら私が着ているモコモコパジャマのボタンを外していく。

「一生、離さないから」

 明日も仕事なのに大和さんの温もりに包まれたくて、自分からも唇をせがんだ。お互いがお互いを必要としている私達は、愛が途切れる事がないと信じたい。

 大和さんの熱い吐息が肌にかかる度に存在を確信する。

「大和さん、今日は寂しくてどうにかなってしまいそうだったんです。これからはちゃんと我慢しますから好きなだけお仕事してきてください」

「ん? それはどういう意図?」

 愛を確かめあった後に二人で布団にくるまっている。伝えたかった事を伝えると大和さんは不思議そうに聞き返してきた。

「私は仕事に理解のあるお嫁さんになりたいので、私を優先にしなくても大丈夫って事ですよ」

 向き合う体制のままで話をしていたら、私の髪の毛をクシャクシャと撫で回された。

「クリエイティブマネージャーが美月に悪知恵入れたんでしょ? 俺は俺で仕事もセーブしてないし、契約数も落とすつもりもないから。確かにここ何ヵ月かは美月と一緒に居るのが楽しくて定時で帰ったりしてたけど、これからはさ、美月が自宅で待っててくれるから早く終わらせるための努力をするよ」

「私も良いお嫁さんになれるように頑張りますね」

「美月と結婚したんだから、社内でカッコ悪い所は魅せられないでしょ? 俺も今以上に頑張ります」

 社内ではクールな仕事の鬼かもしれませんが、私にとっては世界で一番カッコ良くて、私の事を誰よりも愛してくれる旦那様だ。

【END】
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