失恋したら、別の幸せが待っていました!~憧れの部長と溺愛婚
 強引に誘われて、部長の行きつけのイタリアンレストランに到着する。

 店内に入るとクリスマスムードで、可愛いけれど大人っぽい飾り付けが施されてした。カジュアルだが、お洒落な雰囲気のレストランは部長の友達がオーナーらしい。

 空席に案内され、席に腰を降ろすとオーナーが挨拶をしに来てくれた。

「あら、大和ったら可愛い子連れて来たのね! 解禁されたばかりのイタリアンボジョレーだから、飲んでみてね。勿論、サービスだから」

 部長の友達は筋肉質のガッツリとした体型だが、少しだけオネェ言葉である。

「わぁ、ありがとうございます! ……っん、美味し!」

 オーナーが自らイタリアンボジョレーと呼んだワインをワイングラスに注いでくれ、私は味わいながら喉へと通した。

「フランスのボジョレーヌーボーって有名でしょ? それよりも解禁が早いのがイタリアンボジョレー。正式名称はノヴェッロワインって言うんだけど……祖父が経営するワイナリーの新酒だよ」

「ノヴェッロ……? ワイン、初めて飲みましたがさっぱりしていて美味しいです」

「それは良かった。樋川は飲める口なんだな」
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