エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい

大学卒業し、家族の厳しい監視下から外れた念願の一人暮らし。
料理に洗濯、掃除など家にいる頃から母親の手伝いをしたことがあったのでそこまで苦にはならなかった。
たまに面倒になって手抜きを覚えたけど。

働き出して分かったことは、私はそこそこお酒が飲めるということ。
最初からビールが美味しく飲めた。
それもあり、知識だけはあった飲み会(合コン)に大学時代の友人に誘われて初めて参加した。

この時、幹也と知り合った。
第一印象は気さくな人。
男慣れしていない私に笑顔で声をかけてきた。
いろんな話題を振り、常に話を盛りあげてくれたので自然と打ち解けた。

幸運なことに、飲み会のメンバーは男女ともに出会いだけを求めるような人はいなかった。
それがよかったんだろう。
参加者六人は仲良くなり、同じメンバーで何度も飲み会したりボーリングに行ったりと普通に遊ぶようになった。
私にとっては異性の友人は初めてで新鮮だった。

そして、初めての飲み会から三ヶ月ぐらい経った頃、幹也から告白された。
友達としていい人だなとは思っていたけど、恋愛として好きかと問われると微妙なものがあった。
だけど、幹也から毎日のように連絡がきて、彼の熱心なアプローチに根負けしてオーケーの返事をした。
ここまで私のことを想ってくれる人なら、付き合っていくうちに好きになれるかもと思ったからだ。

私の場合、恋愛初心者なくせに安易な考えで付き合ったのが失敗だったんだろう。

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