エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい

キスだけで身体の奥が疼いていた。
着ていた服を脱がされ、情欲を孕んだ彼の目が一糸纏わぬ姿の私を捉える。
自分の裸を見られるのが恥ずかしくなり、隠そうとした手をベッドに縫い付けられた。

『隠さないで。君は十分に魅力的な女性だから』

何度も言い聞かせるように心地よいバリトンボイスが私の鼓膜を震わせる。
久住部長の口から発せられた"魅力的”という言葉に自然と目に涙が浮かぶ。
それを見た彼の大きな手が私の頬を優しく包みこんで涙を拭う。

久住部長が私の身体を慈しむように愛撫し、至るところに唇を寄せて肌を強く吸い上げる。
元カレがおざなりで触れていた場所も、彼の指と唇と舌で丹念にほぐされて羞恥と快感に身悶えた。

久住部長の熱が私の中に埋め込まれると、待ち望んでいたかのようにそれを受け入れて締め付けた。
私の気持ちいい場所を探り当て、そこを的確に刺激されて嬌声をあげる。

淫らな水音を立てながら彼が動くたびに快感の波が襲い、生理的な涙が溢れ落ちた。
ぼやけた視界のまま久住部長を見上げると、『琴葉』と甘さを含んだ声色で名前を呼ばれて胸が高鳴る。
夢ならまだ覚めないで欲しい。

『好きだ』

耳元で囁かれ、身も心も満たされた気がした。
何のご褒美なんだろう。
これは都合のいい夢なんだと思ったら大胆になれた。
私は目の前の久住部長に抱きつくと、隙間なく抱きしめられた。

久住部長は宝物を扱うように優しく私に触れ、愛されるということはこういうことなんだと教え込むように抱かれた。
私は愛される喜びを全身で感じ、快楽の渦にのみ込まれていった。
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