エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい
誰だろう。
知り合いだったら邪魔したら悪いし、と久住部長のそばに行くのを躊躇していた私に気づいた彼がソファから立ち上がった。
「あっ、待ってください。まだ話は終わってません」
そう言って久住部長のスーツの袖を掴んで軽く引っ張った女性。
クリッとした大きな瞳に艶々の唇、肩までの髪の毛はハーフアップにし、ピンクの花柄のワンピースを着ている小柄で可愛らしい雰囲気の人。
あれ?この顔どこかで見た気がするんだけど、誰だったかな……。
「悪いけど、俺は三条さんと話すことはない」
久住部長は手を払い除けた。
三条?
聞き覚えのある名字にそういえばと思い出す。
そうだ、三条瑠香。
私と同い年で三条商事の一人娘。
以前、父親の仕事関係のパーティーに家族で参加した時に私のことを突き飛ばした人だ。
思い出すと、苦々しい気持ちになった。
ホテルのパーティー会場で食事をしながら談笑している親たち(それぞれの会社の社長とその奥さんなど)。
その会場の隣には幼い子供たちが遊ぶためのスペースが用意されていた。
そこには暇を持てあました子供がたくさんいて、ゲームをしたり話をしたりと各々好きなことをして楽しんでいた。
私はテーブルの上に並べられた可愛いウサギのぬいぐるみを見つけて手に取った。
すると、いきなり一人の女の子が走り寄ってきて『そのウサギ、るかのだから』と言って耳の部分を掴んできた。
知り合いだったら邪魔したら悪いし、と久住部長のそばに行くのを躊躇していた私に気づいた彼がソファから立ち上がった。
「あっ、待ってください。まだ話は終わってません」
そう言って久住部長のスーツの袖を掴んで軽く引っ張った女性。
クリッとした大きな瞳に艶々の唇、肩までの髪の毛はハーフアップにし、ピンクの花柄のワンピースを着ている小柄で可愛らしい雰囲気の人。
あれ?この顔どこかで見た気がするんだけど、誰だったかな……。
「悪いけど、俺は三条さんと話すことはない」
久住部長は手を払い除けた。
三条?
聞き覚えのある名字にそういえばと思い出す。
そうだ、三条瑠香。
私と同い年で三条商事の一人娘。
以前、父親の仕事関係のパーティーに家族で参加した時に私のことを突き飛ばした人だ。
思い出すと、苦々しい気持ちになった。
ホテルのパーティー会場で食事をしながら談笑している親たち(それぞれの会社の社長とその奥さんなど)。
その会場の隣には幼い子供たちが遊ぶためのスペースが用意されていた。
そこには暇を持てあました子供がたくさんいて、ゲームをしたり話をしたりと各々好きなことをして楽しんでいた。
私はテーブルの上に並べられた可愛いウサギのぬいぐるみを見つけて手に取った。
すると、いきなり一人の女の子が走り寄ってきて『そのウサギ、るかのだから』と言って耳の部分を掴んできた。