エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい
その女の子が三条さんだった。
ぬいぐるみは他にもあったのに、なぜか彼女は私が持っていたピンクのウサギを欲しがった。
「えっ?」と思った時にはウサギを三条さんに奪われ、挙げ句の果てに私は突き飛ばされて尻もちをついた。
過去にそんなことがあり、三条さんの印象は最悪だ。
「三条だなんて、瑠香って呼んでください」
「親しくもない君を名前で呼ぶ意味が分からない」
「だったら、今から親しくなればいいじゃないですか」
久住部長たちが話しているのを見る限り、親しい感じは受け取れない。
可愛らしい見た目に反してグイグイ攻めている彼女には変な異名がある。
"何でも欲しがる瑠香ちゃん"
自分が気に入ったものは何が何でも手に入れないと気が済まない。
我儘放題で、最終的に父親に頼んで自分の欲望を満たしているとんでもない娘という噂を聞いていた。
一人っ子だからなのか、三条の父親も甘やかして育ててきたんだろう。
うちの家族も過保護だけど、絶対に彼女みたいになりたくないので、いい反面教師だ。
「三条さんと親しくなる理由がないし、俺のことも名前で呼ぶのはやめてくれ。それと次から次へ御曹司に声をかけるのはやめた方がいい」
「えー、だって私に釣り合うのは御曹司ぐらいしかいないんだもの」
冷たく言い放つ久住部長の顔は不機嫌さが滲み出ているけど、言われた本人はケロッとしている。
相変わらずの三条節で、堂々と言いのける彼女にドン引きした。
ぬいぐるみは他にもあったのに、なぜか彼女は私が持っていたピンクのウサギを欲しがった。
「えっ?」と思った時にはウサギを三条さんに奪われ、挙げ句の果てに私は突き飛ばされて尻もちをついた。
過去にそんなことがあり、三条さんの印象は最悪だ。
「三条だなんて、瑠香って呼んでください」
「親しくもない君を名前で呼ぶ意味が分からない」
「だったら、今から親しくなればいいじゃないですか」
久住部長たちが話しているのを見る限り、親しい感じは受け取れない。
可愛らしい見た目に反してグイグイ攻めている彼女には変な異名がある。
"何でも欲しがる瑠香ちゃん"
自分が気に入ったものは何が何でも手に入れないと気が済まない。
我儘放題で、最終的に父親に頼んで自分の欲望を満たしているとんでもない娘という噂を聞いていた。
一人っ子だからなのか、三条の父親も甘やかして育ててきたんだろう。
うちの家族も過保護だけど、絶対に彼女みたいになりたくないので、いい反面教師だ。
「三条さんと親しくなる理由がないし、俺のことも名前で呼ぶのはやめてくれ。それと次から次へ御曹司に声をかけるのはやめた方がいい」
「えー、だって私に釣り合うのは御曹司ぐらいしかいないんだもの」
冷たく言い放つ久住部長の顔は不機嫌さが滲み出ているけど、言われた本人はケロッとしている。
相変わらずの三条節で、堂々と言いのける彼女にドン引きした。