エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい

近年、おうち時間が増えたことによりボードゲームやカードゲームの需要が増えていたことから、『ジョイントイ』のブースでも数点展示した。
あと、既存の商品だけでなく、人気コンテンツとのコラボ商品の新作なども展示して担当者に向けて説明していた。
商談会に力を入れていたこともあり、かなりの手ごたえがあったみたいだ。

その証拠に、商談会後にたくさんの問い合わせがあり、それぞれ担当者が後日打ち合わせに足を運んでいた。
大下玩具もその中のひとつだ。
商談会の時にうちの商品を気に入ってくれたみたいで、後日個別に話がしたいと申し出てくれた。
改めて久住部長が営業に行き、自社商品を提案した結果、取り引きしてくれることになったんだ。
今の窓口は久住部長だけど、そのうち若手社員に振り分けられることになっている。
 
私も問い合わせのあった企業へのプレゼン資料作りを手伝ったので、契約成立したときには喜びもひとしおだった。

元々、プレゼン資料にはテンプレがあってそれに従って作成していた。
営業担当者と話し合った時に、こんな風に書いてくれとか具体的な指示を仰ぐ。

最初の頃は、担当者に言われた通りにやろうとしてもうまくいかなかった。
要点が分かりにくい、見にくいなど何度もダメ出しを食らい落ち込むことが多々あった。
それで、指導係の森田さんに相談したら久住部長に聞くといいよと言われた。
仕事の合間にペンとノートを手に久住部長の元へ行って直接ご教授いただいた。
< 57 / 99 >

この作品をシェア

pagetop