エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい
恭二くんは廊下を出ると寝室に足を踏み入れた。
そしてベッドに横たえられ、そのまま組み敷かれた。

「あの、シャワーとか……」
「そんなのあとで一緒に入ればいいよ。琴葉が可愛すぎて我慢できない」

再び唇が重なった。
濃厚なキスを仕掛けた後、恭二くんの唇が首筋に降りて舌を這わせてくる。
彼の唇や指先に翻弄されて気が付けば服を脱がされていた。
隠すものがなくなり、あらわになった素肌を見られることに羞恥心を覚えて身を捩る。
 
「は、恥ずかしい」
「隠さないで。というか、前にも見ているんだから恥ずかしがらなくてもいいよ」
「でも……」
「琴葉、綺麗だよ」

目を細めて言い、額にキスを落とす。
恭二くんは大切なものを扱うような優しい手つきで私の身体を愛撫する。
彼が触れたところ全部が気持ちよく、甘い声を上げてしまう。

「気持ちいい?」

そう問われ、私は何度も頷く。
セックスで気持ちいいと思うのは恭二くんが初めてだ。
元カレとの時は痛いだけで、気持ちいいなんて全く思わなかったから私の身体が駄目なんだと思っていた。

「琴葉、今度こそちゃんと覚えておけよ」

欲情を滲ませた瞳で見つめられ、私の鼓動は早鐘を打つ。
十分に潤ったそこは避妊具を付けた恭二くんを簡単に受け入れ、蕩けるぐらい攻め立てられて背筋を反らせた。
恭二くんは額に汗を滲ませながら余裕のない表情で腰を打ち付ける。
あっという間に絶頂に押し上げられ、私は恭二くんとひとつになれたことに幸せを感じていた。
< 69 / 78 >

この作品をシェア

pagetop