エリート御曹司は失恋した部下を溺愛したい
side 恭二
『これはよくある酔った勢いでの過ちだから……なかったことにしてください』
『本当にすみませんでした。私も忘れるので久住部長も忘れてください。それでは失礼します』
やっと好きだと伝えて、身も心も繋がることができたと思っていた。
それが一夜明けて、琴葉の口から出た言葉に絶句した。
昨日の夜のことは、なかったことや忘れることなど出来るはずがなかった。
羽山琴葉、彼女と初めて出会ったのは俺が十二歳の時。
友人の羽山芹の家に遊びに行くと、リビングで母親と一緒にイチゴのショートケーキを頬張る琴葉がいた。
髪の毛はツインテール、目は大きく、色白のふっくらとした頬、小さな口元にはクリームをつけていた。
可愛らしい女の子というのが第一印象だった。
『琴葉、クリームが顔についてるよ』
『ホント?』
母親に言われ、琴葉は口の周りについているクリームを取ろうと舌でペロペロと舐めている。
結局、自分では取れずに母親が口の周りを綺麗に拭いていた。
一連の流れを見ていてた芹が『可愛すぎて死ぬ』なんて言っていて、コイツの頭は大丈夫か?と呆れてしまった。
『あれ、せりくんのお友達?』
クリクリとした大きな瞳で俺を見ながら琴葉が口を開くと、芹がすかさず答えた。
『そうだよ。このお兄さん、久住恭二って名前なんだ。でも、琴葉はこのお兄さんと仲良くしなくてもいいからね』
芹は隠すように俺の前に立ち、琴葉の頭を撫でていた。
『本当にすみませんでした。私も忘れるので久住部長も忘れてください。それでは失礼します』
やっと好きだと伝えて、身も心も繋がることができたと思っていた。
それが一夜明けて、琴葉の口から出た言葉に絶句した。
昨日の夜のことは、なかったことや忘れることなど出来るはずがなかった。
羽山琴葉、彼女と初めて出会ったのは俺が十二歳の時。
友人の羽山芹の家に遊びに行くと、リビングで母親と一緒にイチゴのショートケーキを頬張る琴葉がいた。
髪の毛はツインテール、目は大きく、色白のふっくらとした頬、小さな口元にはクリームをつけていた。
可愛らしい女の子というのが第一印象だった。
『琴葉、クリームが顔についてるよ』
『ホント?』
母親に言われ、琴葉は口の周りについているクリームを取ろうと舌でペロペロと舐めている。
結局、自分では取れずに母親が口の周りを綺麗に拭いていた。
一連の流れを見ていてた芹が『可愛すぎて死ぬ』なんて言っていて、コイツの頭は大丈夫か?と呆れてしまった。
『あれ、せりくんのお友達?』
クリクリとした大きな瞳で俺を見ながら琴葉が口を開くと、芹がすかさず答えた。
『そうだよ。このお兄さん、久住恭二って名前なんだ。でも、琴葉はこのお兄さんと仲良くしなくてもいいからね』
芹は隠すように俺の前に立ち、琴葉の頭を撫でていた。