海月

4.危機

 せっかく一人で来れたのに
 中には人でいっぱいで
 僕が入るところはなくて
 誰も僕に気付かなかった
 気付かれる前にあすか先生の所へ戻ろうと思った
 けどもう体が拒否反応を起こして動けなかった
 体のせいで
 体が動かなかったせいで
 僕が一番会いたくなかった人達に見つかった
「なあお前さ」
「ッ」
「こっち来いよ」
 誰に声をかけられたのか分からなかった
 きっとあの人
 ”城ノ内美奈”さん
 先生からの信頼が高くて親が社長と医者でムードメーカー
 あすか先生と来れば良かったと今更後悔しても遅い
           :
 気付いたら屋上にいた
 城ノ内さんたちに連れてこられたようだ

ー明日香ー
 ゆずはちゃん、遅いな…
 何かあったのかな…
 探してみるか

ー日向ー
 コンコン
 「ゆずは、?」
 物音が一切しない
 「開けるよ、?」
 あすか先生の所へ行ったのかな
 「やっぱり、」
 待っててくれる訳ないか

 今から城ノ内さんたちは僕にどんな戒めを与えるのだろう
 先生とかが来る前に逃げないといけないな
 先生からの信頼がある城ノ内さんが可哀そう
「何で学校来てんの?意味わかんないんだけど」
「毎回言ってんだけど死ねよ」
「何回うちらに言わせんの」
「ねぇねぇみなー」
「ん?」
「こいつ何回言っても聞かんからさ」
「ここで”殺しちゃお”?」
「おー! あんためっちゃいいやん! 後で飯奢ったるわ」
「えまぢで!」
「ッみなちゃん…そこまでしなくてもいいんじゃない、?」
「怖いの?w先生にバレるのがw」
「そ、そんなことはないけど…」
「大丈夫大丈夫! お父さんが何とかしてくれるって! ここだけの話、私のお父さんさ、元ヤンなんだよねw」
「そっかあ!なら大丈夫だよね!」
「あんたもいいよね!」
「そ、それなら…」
 この人たちに殺されるんだ…w
 逃げた方が良いのかな
 城ノ内さんのためにも

ー美奈ー
 ほんとはこんなことしたくないのに
 ゆずはを殺したくない
 ゆずはは覚えていないかもしれないかもだけど
 ちっちゃい頃からの友達で
 ゆずはの友達のさえらとも関りがあって
 さえらとは…

 コンコン
「「「⁈」」」
「ゆずはちゃんいる、?」
「あすか先生、?」
「開けてもいい、?」
「う、ん」
「ゆずはちゃんごめん! ちょっと待ってくれる? 電話かかってきた」
 怖い、
 早くあすか先生来て…

ー日向ー
 ゆずは、あすか先生といないのか、?
 いつもいる場所にいないし…
 電話かけてみるか、
「あ、あすか先生! 急に電話かけてすみません」
「いえいえ大丈夫ですよ! どうかされましたか?」
「あのゆずは、あ、七瀬知りませんか?」
「あ、ゆずはちゃんなら屋上にいますよ!!」
「あすか先生もご一緒で?」
「いえ多分ゆずはちゃん一人で、」
「え、⁈ 先生今も屋上にいらっしゃいますか?」
「あ今屋上の前のドアの所です」
「あ分かりました! 今から向かいますね」
「了解です!」
 ゆずはが一人、⁈

ー明日香ー
 ゆずはちゃん…
「あの、先生…?」
「ん?」
「今って、七瀬探してますか、?」
「うん、」
「七瀬、ここにいませんよ、?」
「え、」
「どういうこと? ゆずはちゃんの声がしたんだけど…」
「それ、先生騙されてますよ」
「そう、なの…?」
「七瀬、学校にもういないっていうことだけ伝えときますね。僕も詳しくは知らないので」
 ゆずはちゃん、本当に学校にいないのかな、
 一人で帰れないと思うんだけど
 **が嘘ついてる、?
「あッ」
 いつの間にかいなくなってる、
 とりあえず**が言ってたし…
 探してみるか
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