キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1

どうやら自分も薬草リキュールで理性のタガが緩んでいるようだ。
発情・・そうだ、君の言った通りだ!

「エリーゼ、君とキスしたい・・」

「んーーんと、キスって何?」
妖精が、ご機嫌な顔で聞いた。
オルロフは、思わず椅子から転げ落ちそうになった。

ああ、魔女の国では<キス>の習慣がないのか・・・
確かにキスをしなくても、子どもはできるのだが・・・・

オルロフは複雑な思いで、薬草リキュールを飲み干した。

「その・・好きな相手とすることなんだが・・」
自分で言って<もうっ、なんだ?この展開は・・>と葛藤していた。
妖精は手を伸ばせば、すぐ届く位置にいる。
引き寄せて唇を重ねれば・・

ただ、ここは魔女の国だ。何が起こるかわからない。

<湖の畔の小屋・19時50分>

<愛の儀式>の前に必ず誓いのキスをする。
グスタフ皇国のしきたりだ。
同意と合意をお互いに確認するために。

「俺は君の気持ちを聞きたい・・俺の事をどう思っている?」
妖精はグイっと薬草リキュールをあおり、息を吐いた。

「あなたはいい人よ。ハグも良かった」
妖精は空になったグラスに、薬草リキュールを注いで答えた。
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop