キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1

湖のほとりの小屋・20時

<湖の畔の小屋・20時>

妖精は明らかに興味を持っている。
もう少しで、罠に入るが失敗はしたくない。

豚に変えられたら、俺はどうなる?!

オルロフは慎重に言葉を選びつつ言った。

「・・キスにはいろいろな種類がある。
家族の挨拶とか、親は子どもに寝る前に<おやすみ>のキスをする。
ハグと同じだ。」

「でも・・大人になると本当に好きな相手とは、・・
その唇を合わせる・・舌も・・・使う・・・
そして感じる・・・味わうんだ」

妖精は不思議そうな顔をした。

「へーぇ、変な事するのね?グスタフの人って」

いやっ!!君が違う!!君のほうがおかしい!!
オルロフは心のなかで、絶叫していた。

それでも、この妖精を味わいたい、味わいつくしたい!
たとえその代償として、豚に変えられても・・・・

オルロフは妖精の手を取り、自分の唇に当てた。

「エリーゼ、君をつれて明日ここから出よう」

その瞳は、妖精にまっすぐに向けられている。

「俺のすべては、君のためだけにある。・・誓いのキスをしよう・・」

妖精はオルロフを見つめた。美しいアメジストの瞳で。
薬草リキュールのせいで、少し焦点があわないが。

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