キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1
「そんなことを言ってもね、私たちはさっき出会ったばかりなのよ。
私はあなたの事、よくわからないし。」

確かに正論だ。
が、恋は一瞬で落ちるもの。

オルロフは低い声で、ささやくように言った。

「君は俺にとって運命の人なんだ。」

「運命の人って、何をする人なの?」
妖精はまっすぐにオルロフを見つめた。

そんなに見つめられてはキスできない。
ドキドキするし・・・恥ずかしい・・・

それにまた説明をしなくてはならないのか?
しかも、キスの本題からはずれてしまったではないか!!

「運命の人とは…その人のそばにいたい。笑顔を見たい。
その人のためなら、死をもいとわない。深い絆を感じることができる」

「ふーーーん」
妖精はうなだれて、考え込んでいる。

「絆をつくる・・・って、結婚相手と一緒のベッドに寝ることでできるって。
そう聞いたのだけれども」

ああ!初夜の事か・・そっちに話が飛んだのか?

オルロフの戸惑いを無視して、妖精は続けた。

「ベッドで一緒に寝ただけで、作れるものなのか、私は疑問に思うの」

妖精は小首をかしげて、オルロフに同意を求めている。

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