キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1
ああああああああああああああああああああ

オルロフの心の叫びだ。

爆睡している妖精は、まったくもって無防備だ。
おまけに鼻の頭が、赤くなっている。

少し口を開けて、すーぴーすーぴー寝息を立てている。

「俺は・・何を・・していたんだ!・・本当にバカだ・・」

オルロフは、ぐったりと人形になっているような妖精を抱え、天を仰いだ。

しばらくして、気持ちを落ち着けたオルロフは、慎重に妖精を抱きかかえ、ベッドに運んだ。
それから、寒くないように毛布でしっかりくるんだ。

一緒のベッドで眠ることで、絆ができる・・・
妖精はそう言っていた。

オルロフは隣に寝転んだ。
狭いベッドなので、しっかり抱きかかえないと、床に落ちてしまう。

毛布にすっぽりと埋もれるようにして、妖精はオルロフの腕の中で眠り込んでいる。

酒臭い・・
薬草リキュールは相当強い酒だから、そうだろう。

それでも・・・
大きな花束を抱きかかえているようで、この幸福感。

心の中に甘い気持ちが流れ込み、満たされていく。

「うん・・・」

妖精が寝返りを打とうとして、小さな声を出した。

3人の男と結婚するなんて・・・オルロフは強く抱きしめた。

明日、すぐに妖精を連れてこの国を出よう。

もし、妖精が難色を示したら、母親と直談判して、結婚を取り消すよう交渉しよう。
3人の男と決闘をしてもいい。

オルロフは、自分の胸に下がっているペンダントを握りしめた。

交渉材料は・・・ある。
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