キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1
湖のほとりの小屋・早朝5時
<湖の畔の小屋・5時・早朝>
朝方、いつもの鳥のさえずる声で、妖精は眠りから現実に戻された。
頭がぼんやりしている。
そう、薬草リキュールを随分と飲んでしまった。
誰と?
「え?・・・・」
ベッドで抱えられている自分。
隣で眠っているのは、あの旅人。
オルロフと名乗ったその人は、ぐっすりと眠りこんでいる。
「やばっ!」
心臓の鼓動が早くなった妖精は、その腕を何とか抜けて、ベッドから遠ざかった。
自分は、昨日と同じ服を着ている。
ベッドで寝ている男も、服を着ている。
何かあったのか?
たぶん・・・二人とも酔っ払って、寝ていただけなのだろう。
妖精は足音を立てないように、ベッドまで戻り、オルロフの顔を確認した。
その首に光るもの、金のペンダントが見えた。