キスってなに?魔女の恋愛論・オルロフとエリーゼ・魔法の恋の行方シリーズ1

2か月後・グスタフ皇国・王宮

<2か月後・グスタフ皇国の王宮・10時>

それから2カ月後、オルロフ皇太子は、王宮で執務をしていた。
時々、頭をよぎるあの想い。

美しい幻影・・光をまとう妖精の姿。

あれから、何度もあの場所に行った。
が、何の痕跡もない。

「魔女の国では、代表が変わったようですね」

白髪まじりの外務大臣と、官房長官が話をしている。

「魔女の国?!誰が、選ばれたのだ?!」

オルロフ皇太子がすぐに反応した。

外務大臣は、戸棚から外交親書を取り出し、机の上に並べた。

「ご覧ください。これを・・・魔女の国はグランビアの当主ですね。
エリーゼ・グランビア」

エリーゼ?・・まさか・・
あの妖精が!

「その、当主の肖像画とかは、ないだろうか?!」

皇太子が勢いよく立ち上がったので、外務大臣は怪訝な顔をした。

「魔女の国は、本当に情報がないのですよ。
魔女たちは成人になると、他国に行く時は、老婆に姿を変えるので。
本当の姿がわからないのです。」

「でも、何か・・・正式なものでなくても!情報をとにかく全部出してくれ!!」

食い下がる皇太子の姿を見て、外務大臣は困り顔で、自分のひげをねじった。

「お待ちください。何かあるか確認してみますから」
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